She never looks back









 ―見守る会:後―








補給地点へ一足遅くたどり着くと、出迎えた兵長が冷酷人間の足に包帯が巻かれているのを目敏く見つけ眉を顰めた。 治療したのは僕だ。見た限りそう深くはない傷だったと思う。バランスの取りにくい空中だったという事もあり、剣の勢いが落ちたのが幸いしたと言える。

それを伝えれば兵長は看護兵の居るテントへと彼女を抱えていった。片手で。詳しく言うと腕を彼女の足の付け根に回しそのまま掬うように持ち上げたのだ。 だから彼女は兵長の腕に座っている形になっていて父親に抱き上げられている子供かと思ってしまった。否応なしに背後を向かざるを得なくなった彼女と視線がかち合い、僕は目を泳がす。 きっと見ない方が彼女の為に違いない。結構ですやめてください、なんて拒む声が聞こえたがどうやら兵長には届いていないようだった。


「詳しく話せ」


抱え上げられてからと言うものの身動き一つせず大人しくしていた冷酷人間は、その態度を崩すことなく簡要椅子に座らされちゃんとした治療を受けるも兵長の剣呑な瞳に目を逸らす。 どう伝えようか考えあぐねているのだろうか。それなら僕が代わりに口を開こう、そう思ったのだが何故か兵長が制止の手を上げるのであった。


「……巨人と対峙しまして……ほら、いつもみたいに周りが見えなくなっちゃいましてね。もうひとりの子の刃に掠ってしまっただけです」


何を言っているんだろう、この人は。真実とは違う捻じ曲げられた報告に僕は目を剥いた。そんな言い方では自分が全部悪いと言っているようなものではないか。 咄嗟に口を挟もうとした僕を止めたのは、やっぱり兵長で。何を考えているのかその真意は窺い知る事なんて出来るはずもなく僕はただ口を噤む事しかできなかった。


「通常種だからと言って油断したてめぇの責任だ。暫くそこで反省してろ」

「はい。お手を煩わせてしまって申し訳ございませんでした」


ペコリと頭を下げた冷酷人間を一瞥し兵長はテントを出た。僕は無意識にその背中を追う。声を掛けると数歩進んだのち、兵長は立ち止まり此方を振り返った。 顔が怖い、なんて言ってられない。僕は言ってやるんだ。兵長に嘘をついてまで彼を庇う冷酷人間の為に。


「あ、あのっ!分隊長は彼を庇って……それで――!!」

「知っている」

「あ、え……?」


でも、返ってきた言葉は意外なものだった。知っている?なら何故あんな叱咤をしたのだろうか。訳がわからない。 困惑する僕に兵長は何かを言いあぐねるも次いで口を開く。


「……お前は余計な事を言いふらすんじゃねぇぞ。それがあいつの――望んだ姿だからな」

「それはどう言う事……でしょうか?」


望んだ姿とは。冷酷人間は彼を叱咤する訳でもなく、敢て庇うような報告をした。それが望んだ姿という事なのだろうか。一体何の為に?


「……お前ひとりが今回の真相を知っていればいい。あの兵士にも口止めしねぇとな……全く世話のかかる自称冷酷人間だ」


僕だけが真相を知っていればいい?何か矛盾している気がする。それに『自称』冷酷人間?一体何を言っているのか――その時、ふと思い至る。冷酷人間は優しい。そして彼を責めず庇った。 それが意味することとは。そして兵長が何かを言いあぐねた点といい、僕の中で不格好にもパズルのピースが合わさり結論が思考の水面に落ちた。

――兵長は遠まわしにその『何か』を伝えようとしているのではなかろうか。

落ちたものは波紋を作り瞬時に頭の中を駆け巡る。先輩の態度、そして後輩の態度。兵長の物言いに自称冷酷人間という言葉。 どうやらこれは、予想以上に複雑なものらしい。そしてその答えを教えてくれる相手を知ることとなる。


「……この件を誰かに話したいと言うならあいつにとっての先輩兵士と話す事だ。運が良けりゃ詳しいことを聞けるかもな」


分かったなら持ち場に戻れ。そう言って兵長は踵を返した。その背を見送り僕はつかさず兵長とは反対方向へ進む。兵長が導く先に答えがあると確信して。


、――っ!?……あ、あぁ……お前もヘマする事があるんだな。身分不相応な役職を頂いたからって調子に乗ってるからだ」

「そうかもしれませんね。以後気をつけます。用が無いなら油売ってないで出て行ってください」

「そう睨んでくれるな……ケッ。生意気な女だぜ」


隠しきれない動揺を必死に誤魔化そうと取り繕う先輩の背後に立ち、僕は声をかけると少し離れた物陰に彼を連れ出した。 眉を顰めばつの悪そうな表情を浮かべる先輩は僕の様子に何か感じ取ったのだろう、向き直れば徐ろに口を開く。


「お前、今回あいつを間近で見てた奴だろ?詳しい事は知らねぇがこの件は忘れろ。それがあいつの為でもあるんだ」

「僕はもう知ってしまいました。全部じゃないけど……でも確信した事があります」

「ハァ………他言無用と約束できるか?あと、俺が教えたって言うなよ。絶対だぞ」


深く息を吐く先輩は頭を掻くと真相を教えてくれた。冷酷人間について。その成り立ちと経緯を。

彼女は単独部隊隊長という役職を貰ってから、暫くの後に初めての部下を受け持ったそうだ。そして初陣で亡くし、その時に冷酷人間になったという。 それまで周囲から囁かれていた程度のレッテルだったらしい。だけど彼女は自ずとその仮面を被り演じる事に徹した。

先輩たちは部下を亡くす痛みが手に取るように分かる。庇われたとあっては尚の事思うところがあるだろう。だからあの冷酷人間と囁かれていた彼女でもその時の様子が痛々しく写り、そのイメージを改めたという。 そしてあの仲間の死を意に介さないという噂は事実無根の産物であり、それが露顕したと同時に先輩たちの間でとある協定が結ばれた。

――彼女は他の人間となんら変わりのない心を持っている。そればかりか途方もなく優しすぎる馬鹿だ。 彼女が冷酷人間に徹するのは他の誰でもない、何よりも仲間の為。ならば俺たちは彼女の意志を尊重し見守ろう、と。


「見守る?……後輩のはけ口の為に必要悪だと都合のいい解釈をしただけじゃないですか!」

「……それがあいつの望んだ姿だと言っただろう。俺たちだってどうかと思った……だがある奴が一回あいつに言ったんだ。だけどあいつは――」


――私は不器用ですからね。こうする事でしか……命を賭していった兵士たちに報いれる事ができないんですよ。そして生きている兵士を守るにはこの状態が一番良いと判断しました。


「それを聞いちまったら何も言えねぇだろうが……!」


彼女は馬鹿がつくほど優しくてその上不器用だ。そうこぼした先輩の顔を見れば分かる。彼も心を痛めているのだと。 何も後輩のはけ口になろうとするだけではない。ただ彼女は兵団内の兵士と慣れ合い親しい間柄を作ったとして、その先に見える未来を回避したいという。


「あいつのよき理解者でもあった奴が居たけどよ……そいつも壁外で死んだ。あいつの目の前でな。皮肉なもんだ。あいつの分かりにくい本質を理解できてもひとり、またひとりと居なくなっていく…… だから俺たちはあいつの為にこの真実を隠すんだ。それがあいつの救いであり、生き延びてまた戦う為の糧になるからな。俺たちには到底真似できねぇ。だからと言ってあいつが特別凄いって訳じゃねぇんだ。 あいつはあいつなりの方法を取っているまででその本質は俺たちと変わらない。だたやり方が違うだけでな。だからあいつも俺たちも必要以上の干渉をしないしお互い様なんだ。……分かってやってくれ」


彼女は庇われる事を何よりも良しとしない。目の前で命が失われるのは見たくはないと。親しい間柄になった兵士が自分を庇って死ぬ瞬間は何よりも辛く、何よりも自分の無力さを痛感する。 だから彼女は避けられる存在でないといけないのだ。二度と同じことを繰り返さない為にも、ひとりで戦いそれで救われる命がある限り。

命を背負っているのはみんな同じで、それをお互いに支え合うのも同じなのだ。僕はそれを聞いて脳内で不格好なパズルが綺麗に出来上がるのを感じた。 彼女は彼女なりに考えていて、事情を知っている先輩たちはただ見て見ぬ振りをしている訳ではなく彼女の為を思って尊重しているのだ。 かといって特別扱いしている訳じゃない。お互いが必要以上に干渉しない事で均衡を保っているだけで。普段みんなの前で避けて居るのはそう言った訳あってのものなのだ。

――僕も、その中に入れるだろうか。


「お前はもう知っちまった。なら分かるな?あいつを信じてやってくれ。そして隠せ。全力で真実を周囲から屠れ。自分は何も知らぬ存ぜぬを貫き通すんだ。じゃねぇとあいつはいつか……戦えなくなっちまう」


僕の中での冷酷人間像は自然と変化していった。我先にと命を張り仲間を守る姿勢。今回彼女を自身の手で傷つけてしまった彼は罪の意識に苛まれるに違いない。 だけど咎める事もせず責める事もしなかった。自分の不注意から招いてしまった失態だと言い張ることで不器用なりに彼の罪を軽くし彼が戦えなくなることを回避した。尚且つ自分が責められるのを望み甘んじる。 正真正銘のマゾヒストだ、分隊長という人間は。そんなあの人を――尊敬した僕も同類なのかもしれない。


「でも、いくらあの人の為だって言ってもあんまりじゃないですか……誰かしら支えてあげなければ本末転倒だ……」


僕は彼女の秘密を共有する事を許された。だけど、それだけでは納得いかないのも致し方ない事で。 今言った様に誰かが隣で支えなければいけないと思った。誰だって支えなくして戦えない。恐らくそれは彼女も同じだ、戦えなくなるのは時間の問題だろう。その役目を担う人間が居ないなら、僕が――


「それはまぁそうなんだが……なんだ、もう間に合ってるから気にすんな。深くは突っ込むなよ?見守るのも親心ってな。おうよ」

「……はい?」


今までの緊迫した雰囲気をぶち壊し、頬を赤くしたと思ったら目を泳がす先輩。何だ、どうしたと言うのだ。 何やら訳知り顔の彼は必死にニヤつく口を抑えようとして変な顔になっている。さすがの僕もちょっと引いた。


「俺の口からはこればっかりは言えねぇなぁ。自分で気づけとしか……いや、でももう見ちまってるだろ?いやいやこれ以上は流石に言わない方が利口だよな……」

「先輩……?」


最後の方は自分に言い聞かせているようだった。それは置いといて『もう見ちまってる』とは。……はて。僕はあれから何を見たというのだろうか。 その疑問は足音も立てず背後にやってきた人物によって知ることとなる。


「オイお前たち……話が済んだなら荷運びを手伝ってやれ」

「兵長!すみません!!」


咎める訳でもなく今までの暗黙の了解よろしくな話を聞いたことを黙認しているのだろうか、兵長は背後を指差し僕に早く行けと軽く窘めると先輩に向き直っていた。


「余計な事を口走るんじゃねぇ。あいつは鈍感だが……もし耳にでも入っちまったらどうしてくれる。お前ら以上にこちとら複雑なんだ」


やっぱ聞かれてたかとひとりごちる先輩の声を聞いて僕はその場を後にする。これこそ知ってはいけない事なんじゃないかな。聞かなかった事にしようそうしよう。 荷運びをしろと指示されたはいいけど作業は既に終わりかけていてやる事がなかった状況に僕は蹈鞴を踏むも、これも彼らの思惑通りなんだなと悟る他ない。 何だかんだ言いつつみんな彼女に対して優しさに満ち満ちている。そんな兵団に入って良かったと思ったのは皆まで言わず。

――だけど、やっぱりそんな人たちだけではないと再確認させられる訳で。


「あんた、あいつの邪魔をして怪我を負ったんだろ?単独部隊だかなんだか知らねぇけどさ、自分の手柄が欲しいからってやりすぎなんじゃねぇの?ざまぁみろってな」


分隊長の様子が気になった僕は未だに反省しているであろうテントに入ろうとした。だけど中から聞こえてきた言葉に出しかけた手を止める。 僕も今さっき知ったばかりの新参者だけど、声の主に何も知らない癖になんてことを言うんだと怒りを覚えた。兎に角腹が立ったのだ。 これが彼女が望んだものだと言うのか。絶対に間違ってる。――そう思うのに、僕はその場を動くことさえできなかった。

『全力で真実を周囲から屠れ。自分は何も知らぬ存ぜぬを貫き通すんだ』

先輩の言葉が脳裏を過ぎる。この言葉が意味するものは理解しているつもりだ。しているけれど、だけどこれはあまりにも残酷な気がしてならない。 ……先輩たちも同じ思いをしているのだろうか。僕のように何も知らぬ存ぜぬで無関係を装い、彼女を罵倒する兵士を咎める事も出来ず見ている事しか出来ない歯がゆさに臍を噛んできた、と――


「……こんなところまで出向いて言いたいことはそれだけですか。ならばさっさと持ち場に戻りなさい。彼の為を思っての行動かもしれませんが上官に対する言動ではないと分からない訳ではないでしょう」

「フンッ。そうやって偉そうぶってさ。あんたは怒られないのをいい事に好き勝手やりやがって……今まで何人殺してきた?自分の手柄欲しさに何人見殺しにした?あんたの所為で死んだ奴も報われねぇよなぁ!?」


――我慢の限界だ。どうしてここまで言われなきゃならないのか。僕には分からない。分隊長が今までどんな思いをして仲間の死を見てきたのか。 でも、これだけは分かるんだ。彼女は壁外で兵士を殺した事はないと。ましてや見殺しになんてする訳がないのだと。ただ自分の無力さに罪の意識を感じ、心身共に傷ついた自分を叱咤する事しか出来ない不器用な人間なんだ。 そうでなくては指示を無視して巨人に向かっていった彼を身を呈してまで庇うことなんて、出来ないじゃないか。


「っ……!?」


僕を止めたのは一頭の馬。それは分隊長の愛馬だった。どうやってここまで来れたのか、どうしてここに彼女が居ると分かったのか。彼女の愛馬は静かに僕の前に来るとまるで窘めるように鼻を鳴らす。 そして顔を近づけたと思ったら僕の頬をひと舐めした。彼女の前では子供みたいに甘えただった癖に、僕に対しては親のように振舞う姿がありがとうと言っているようで。 馬でさえも彼女を理解しているのだと分かった瞬間、僕の憤りは霧散する。


「ごめんよ……分隊長の意志を蔑ろにしたい訳じゃなかったんだ……」


鼻先を寄せてくる鼻筋を撫でればもう一度鼻を鳴らす、そんな態度に子供みたいな甘えたが垣間見えて僕はつい笑ってしまった。どうやら彼に認められたようだ。 そして人の気配がして顔を向ければ兵長が、右には先輩が立っていて。


「……よく耐えてくれた。とこのじゃじゃ馬の代わりに礼を言う」


彼女はこんなにも愛されているんだな、と思った。きっとこれから先戦えなくなる心配はないのかもしれない。 そう先の見えぬ未来に希望を抱いては彼女の愛馬のなすがままに頬を舐められ続けた。そろそろ涎が滴り落ちそうだからやめてくれないかなぁなんて思いながら。


「おら、行くぞ。……お前も脱走するんじゃない。今頃見張り番が泣いてるだろうよ」


先輩は僕を促しながら馬の手綱を引いていく。あとに続き振り返れば兵長がテントに入っていくのが見えて、僕はその光景を胸に仕舞い向き直った。


「晴れてお前は『を見守る会』に仲間入りしたわけだが……間違ってもあいつに惚れるなよ?」

「分かってますよ。僕はただ分隊長を尊敬していたいだけですから」

「そうかよ。全く、馬鹿ばっかりで――」

「――笑っちゃいますね」


危険と隣り合わせな壁外で僕たちは盛大に笑い合う。それを見た他の先輩たちも釣られて笑うものだから僕は心の底から生きたいと思うのだ。 先輩たちのように彼女をずっと見守っていたいから。その先にある悲しみも苦しみも、幸福も全部知りたいが為に。そして僕も彼女のように強くありたいと願う。 どんなに危うい均衡で保たれたものだとしても、彼女の奥深くに聳え立つ本質は尊敬に価する強かなものなのだから。


分隊長……先程はすみませんでした!貴方に怪我を負わせてしまったばかりか……謂れのない誹謗を浴びせられてしまって……」

「君が巨人に立ち向かって行ったのは他の仲間を危惧しての行動でしょう。立派な事です。それに怪我は私の不注意に違いありません。なので、君が気に病む必要はない」

「でも俺があの時状況もろくに見もしないで……その上貴方の指示を無視し身勝手な行動をしたんです!咎められないのはおかしい!!」

「何を言うんです、君はそうやって十分反省してるじゃないですか。これに懲りたら次に活かせばいい。君がこれからどう頼もしくなるのか……楽しみですね」

「っ!あ、ありがとうございました!!!俺、頑張ります!!だからその時はまた一緒に戦ってください!!」

「…………ほら、持ち場に戻りなさい。そろそろ出発すると思いますから準備は怠らないように」

「はい!では、失礼します!!」


そしてどんなに残酷でも、救いは必ずあるのだと思わずにはいられない。だって僕は彼女の優しさを知ってしまったのだから。






END.











おまけ


「仲間の死も意に介さない人間ではない……?買いかぶりすぎですよ」

「振り返らないと言っている割には過去に囚われてねぇか。だから魘される」

「……居たんですか。声くらい掛けてくださいよ……囚われているわけではありません、事実なんですから」

「それは昔の話だろう。だが今はそうじゃねぇ。これもエルヴィンとの過去に関係してるみてぇだが……いづれ吐かせてやる」

「大層なものではありませんが……言ったでしょう、入団してから……いや、同期を目の前で亡くしてから考えを改めたと。あとは察して欲しいですね」

「そのような曖昧な説明で俺が納得するとでも思っていやがるならいいだろう、今この場で吐かせるまでだ」

「何を――っあばばば文字通り吐く!違う物が出る!敢て言うならば胃の中の物が!!ぐはっ……!」

「どうだ、吐く気になったか?」

「はい、お陰で嘔吐感半端ない。どうどう、また別の機会に話すから!絶対に話すって約束するから!!だから鳩尾をグリグリするのはやめて!!!」

「チッしょうがねぇな。待ってはやるが……俺の気が変わらん内に話せ」

「心の準備が出来たら速攻で話します。約束しよう、これは絶対だと」

「ならいい。早く出立準備に取り掛かれ。遅れることがあれば容赦しねぇ」

「なんだこの理不尽は。なんか不機嫌だし何だと言うの……」


おしまい









ATOGAKI

いつかは書きたいと思っていた先輩たちの話。設定にも書いた奴。目の前で死んだっていう先輩は前に書いた話に出てきたあの人です。彼以外の先輩たちは彼ほど主人公の本質を理解出来ていないけど察しはついているといった感じです。 実のところ終始ギャグ路線で行こうと思っていたんですけども書いている内にいつの間にか真面目な方向に行ってました。でも満更でもない自分がいる。
『見守る会』はちょっとした遊び心でした。すみません。









▼頭の整理(読まなくとも問題ないです)
不器用にも冷酷人間を演じ後輩のはけ口になった。必要悪だと。そして脆いからこそ後輩たちの罵詈雑言を聞いて兵士の殉死に対して弱気?になる心を叱咤されるという形で己に鞭打っている。 嘆き後悔などで心が折れてしまわないように。立ち上がれなくならないように。そうしないと殉死した兵士たちから受け継いだ意志を背負って戦えないばかりか、生きている兵士を守る為に戦うこともできないのだと。方法がこれしか無かったと言うかそれは追々。

そして庇われて死なれるのは辛いので己自身避けられる立場になる事によってみんなを遠ざけひとりで戦う。その姿が望んだ本当の意味。初公開? 先輩たちも思いは同じだと思います。ただ主人公は主人公なりのやり方をしているだけで。だから先輩たちは主人公の思いも分かるし、彼らも別のやり方でやっている訳でお互い必要以上に干渉せず各々意志を貫いていると。

ただ先輩たちも主人公の思考を全て汲み取る事は出来ないので(当たり前だけど)少し彼らの解釈に齟齬が生じている部分もありますという言い訳。


正直のところ自分でも何が言いたいかわからなくなっています。すみません。だから自己解釈かなんとなーく察していただければ幸いです。てへぺろ。