She never looks back











「お父さんはどうして背が高いの」


天井に届くか届かないかの瀬戸際。少女は見慣れた室内を見下ろしながら問う。


「……遺伝じゃないか」


男は僅かに顔を上げると冷淡ともとれる声音で答えた。


「お母さんはどうして胸が大きいの」


興味なさげに相槌を打ちながら続いて少女はカウンターの向こう側で晩食の支度をしている女に問う。


「遺伝じゃないかしら」


笑声をこぼしながら女は男と同様の返答を口にした。


「そう。……明日は帰ってくるの」


相も変わらず無表情のまま、少女はふたりに問いかける。室内にはベーコンの焼ける香りが漂っていた。


「研究が大詰めなのよ。1週間以内には帰れると思うわ。それまでいい子でお留守番……頼むわね」


女は罪悪感を抱えながら少女に言い聞かせる。男もまた、顔向けができないと言わんばかりに頭をたれた。 しかし、ふたりは瞬時に気持ちを切り替えれば嬉々として研究の話に興じるのである。

それをいつもの様に、たとえ内容が理解できなくとも興味津々で聞きながら少女は人知れず眉を曇らせるのだ。



明日は少女の――誕生日だった。










 ― 無欲な少女は在りし日の夢を見る ―








お決まりの業務中のひと時。我が物顔でソファにふんぞり返る男はの淹れた紅茶を片手に書類に目を通していた。 一方、執務に追われる部屋の主は書面に羽ペンを走らせている。お互いを認識しているのかさえ定かではない静まり返った空気の中、ふと思い出したように男が顔を上げ口を開いた。


「お前に物欲はあるのか?」


何を言い出すのかと思えばなんとも突拍子のない質問である。は僅かに眉を寄せると手を止め、思案していた文章を脳内に保存し男の目を見返した。


「人並みに持ち合わせてはいるつもりだけれども……」


男――リヴァイは予想外の返答に思わず目を丸くすると詳細を促す。そんなに驚く程のものなのか、は釈然としないままいつもの無表情で淡々と答えた。


「お金が欲しい」

「随分と即物的な奴だな」


つかさずツッコミを入れたリヴァイの顔には呆れが混じっている。任務帰りにお菓子を買ってくる時もあるが、基本的に物欲があるようには見えなかった彼女から発せられたそれは嫌に生々しく。 こんなご時世だ、金が物を言うとまでは言わないがあればあるだけ良いに決まっている。あの日のように巨人に壁を破られ財産を放棄せざるを得ない状況にならなければの話だが。

だがは任務に必要な物以外を調達していた事があっただろうか。前述の物と夜食用の食材、生活必需品を除いても聖域には見渡す限り他の者とは比べようがない程私物が少ないというのに。 一体全体どのような目的でお金を欲するのか、リヴァイには皆目見当もつかなかった。


「お金は裏切らないからね」


続いて紡がれた言葉は切実ともとれるもので。なんの後ろ盾もなくほっぽりだされた世界の中、己の力だけで生き抜いてきた叩き上げの人間だからこそ重みのあるそれ。 当時の感覚が染み付いて落ちないとでも言うつもりか、無表情からはなにも読み取れなかった。


「金を手に入れて買いたいもんでもあるのか?」


もしかすればお金は過程でしかなく、その先に欲するものがあるのだろうか。リヴァイは引き続きの顔を伺いながら訊ね――。

それはいつもとなんら変哲のない雑談。しかし、リヴァイの心中は穏やかではなく。何故ならの誕生日が数日後に迫っているからに他ならない。 無論、情報源はエルヴィンであり彼は彼で「今年は何を贈ろうか迷うな……普段から頻繁に物を贈りすぎかもしれない」なぞとぼやいていたのは記憶に新しい。 事あるごとに貢ぐ――ではなく、特別報酬を用意しているエルヴィンだからこその悩みである。

――それはさて置き一方のリヴァイはというと。


(こいつの誕生日を今更知ったなんざ……情けねぇ……)


今まではお互いに誕生日を祝い合うなぞと柄にもない事はしてこなかった。1ヶ月の特別訓練以降は距離が縮まったと自負はしていたのだが。いやはや。 ちなみに単独部隊結成祝いにとあるものを贈った事はある。それはまた別のお話。


(そもそもこいつに誕生日を祝うという概念があったとはな……)


どこか気恥かしさを感じてしまうのは致し方あるまい。12月25日。大怪我をこさえながらも己の誕生日を祝う姿。 それに心を打たれたのは言うまでもなく、だから、というわけではないが己も何かせずにはいられなくなるというもの。


(誕生日だから、というだけではなく普段世話になってるその礼も兼ねてたんだろう……こいつの性格からして間違いねぇ。礼をされるような事はしてねぇが……チッ……)


はこのような思いをしてまで用意した上に手渡してくれたのだろうか。可愛いなチクショー。 意を決して調査に乗り出したのが今であり、年甲斐もなくそこはかとない緊張感を胸に秘め、ひた隠すリヴァイは平然を装う事に余念がない。

背もたれに腕をかけたまま足を組み直しては再び組み直し直したりと落ち着きないが。

そして逡巡している間にもが暫しの黙考を経て口を開く。


「特に深い意味は無いよ。情報収集もタダじゃないからねぇ。万年資金不足の兵団の経費を使いたくないだけ」

「今までポケットマネーで情報収集してたのか。道理で経費を過剰に余らせて帰ってくるわけだ……」

「理由の大半はポケットマネーを含めどれほど節約できるか挑戦していただけ。私のささやかな楽しみだよ」

「そうか、それはなにより」

「干物女ナメんな」

「……なにも言ってねぇだろうが」

「言外に聞こえた」


少しは一般的な女らしい物欲を垣間見せろ、とは思うもののこれがなのだから致し方あるまい。些か話が脱線しているような気もするがどれも想定内である。


「捏造はよせ。それはともかく特別報酬には食いついているようだが?」

「エルヴィン団長の好意を無下にしたくはないからねぇ。美酒は皆まで言わず、頂けるものは頂く主義」

「オイ、矛盾してねぇか?」

「ここだけの話、特別報酬は団長様のポケットマネー」

「お前らふたりしてご苦労なことだな」


不正はなかった。裏ではあくどい事をしている癖に切り替えが上手いと言うべきか――否、全ては兵団そして人類の為なのだ。恐らく。 は純粋に人類の為とは言い難い志向の持ち主、そしてエルヴィンは腹の底が知れない人間であるからして素直に感心するのは憚れた。 実は似たもの同士なのでは、と思ってしまうのもわけない。

そんな事よりも、である。


(聞き出した物をそのまま用意するのもアレだが、そもそも物欲がねぇとなると……こうなったら現ナマにするか? いや、それは流石にどうなんだ……)


反面教師よろしく己の人間性を試されているような気がしてくるリヴァイであった。いや、方向性は全くかすりもしないが。


「まぁ、物よりも休暇が欲しいけれども」


辛うじて聞き取れた本音であろう切実な呟きは聞かなかったことにする。


「……お前にはこじゃれた物より実用的な物の方がいいらしい」

「確かにお役立ちグッツは助かるねぇ」

「エルヴィンの野郎も任務時に使える物が主だしな」

「……偉そうな事を言ったけれどどんな物であれ頂ける事は嬉しいに決まってる。言うなれば身に余る光栄……ほら、知らぬ間に頂いた絵画も壁の傷を隠すためにありがたく飾らせてもらってます」

「あぁ、そりゃ恐らくいつぞやクソメガネが起こした一件でお前の先輩たちが置いてった見舞い品だ」

「そう……後でお礼をしないと」

「今更だと思うが……好きにしろ」


見守る会会員は見返りなぞ求めてはいないだろうが最低限の礼節は必要か。だが変に真面目な彼女はバカ正直に実行する上に、もしかしたらご丁寧にひとりひとりにお返しの品を用意するかもしれない。


(なるほど。だから先輩たちはこそこそと置いていったのか……次からは何も言うまい)


彼らも負けず劣らずの事を分かっているらしい。うかうかしてられねぇな。心配せずとも一番の理解者はリヴァイなのだが彼は暫し焦燥に駆られたという。


冷めてしまった紅茶を啜っているとそれに気がついたが席を立った。いつぞやハンジから借りてきた実験用ランプでお湯を沸かし始め、リヴァイからカップを受け取る。 持ち去られていくそれをつい目で追いながらリヴァイは出来上がりを待ち遠しく思っているとから余計な一言が。


「そんな不安そうに見つめなくとも取っ手は取れない」

「……うるせぇな」


幼少期のトラウマを想起させる言葉に思わず目が据わる。来客用のありふれたデザインのそれを一瞥しては舌打ちをひとつ。 「人様が口をつける部分なのだから貴方のように縁を持つわけにはいかないでしょうに」と至極真っ当な指摘に今一度繰り返した。

数分後、戻ってきたカップを受け取れば茶葉はオーソドックでありながら際立つ香りに酔いしれ。淹れたてのそれを口に含み喉を潤した。

どんなにありふれたデザインのカップであろうとが淹れれば高級感が漂う。不思議なものだ。なんとかはなんとかを選ばず、とは言ったものである。 ポットも兵舎内で良く見かける官給品。茶葉も然り。しかしひとたび飲めば病みつきになることこれ請け合いな至高の一杯。

喫茶店を開けばさぞ繁盛するだろう。薄給の調査兵団に居るよりも手っ取り早く稼げるのでは。己ならば頻繁に通う。確実に。

冗談半分な事を考えていたのだがが己の分のカップを置く音で我に返り、同時に本来の目的を思い出した。


「……お前は気の利く人間だ。だからこそ聞くが、お前ならどんな物を贈る?」

「紅茶に関しては職業病のようなものだけれども……そうだねぇ、戦闘に支障がでない物を贈るよ」

「そりゃどういう意味だ?」

「例えば身につける装飾品。ネックレスとかは壁外調査時にお守りみたいに身につけて貰える事もあるでしょ。勿論それはもう嬉しいけれども、でもその所為で命の危険に晒されてしまうのは本意じゃない」

「つまり?」

「戦闘中ネックレスが服の中から出てしまったら。それに気を取られて隙が生じてしまったら……これは自分に置き換えた場合の話。参考にしない方がいい」

「いや……一理ある。お守りにするくらいだ、失くすまいと必死になってて気づいたら、なんて事も絶対に無いとは言い切れん。それは壁外でなくとも同じことだ」

「……スカーフ留めは一生使わなくていいよ」

「バカ言え、それとこれとは別だ」


お揃いだしな。口には出さないものの正装する場で着ける事は決定事項であるからして送り主から何を言われようがこの意志が覆ることは無い。鍵の掛かった引き出しの中を思い浮かべては思い馳せるリヴァイだった。


「物欲が無いばかりかこだわりがあるときた……お前に物を贈る奴は苦労するな」


言うまでもなく現在進行形で苦労している立場に立たされた己の事である。 こだわり云々はむしろ賞賛に値する気遣いだが、重要なのは物欲が無いところにあるわけで。


「失礼な。こだわりは私が贈る側の場合であり頂く側であらばさっき言ったとおり何であろうとも喜んで頂戴する。何よりも気持ちが嬉しい」


なんともまぁ単純な奴だ。しかしそれが逆に難しいとは露ほども思っていまい。 例えるならば晩食の希望を聞いて「なんでもいいよ」と答えているのと同義である。

その返答が何よりも頭を悩ませる要因であることは言うに及ばず、無欲は時に長所であり短所にもなりうると学んだ瞬間であった。謙虚なのも考えものである。

自然とため息が溢れ出るリヴァイに申し訳なく感じたのか、先の『お前に物を贈る奴は苦労するな』という言葉に思うところがあったのかは定かではないが、は逡巡すると素直な気持ちを捻り出す。 どれもありのままの本心なのだが腑に落ちないと言わんばかりに眉を顰めている様子に焦燥を駆り立てられたのだろう。どう答えるのが正解なのだろうか、と無欲なのは自覚しているがこうも納得されないと調子が狂うらしい。


「特にこれといって欲しい物は無い、というよりも自分で買えるような些細な物だから望むまでもないわけで」


これはいくら考えても欲しい物とやらは見つからないなりの物欲の開示である。


「なんだ……言ってみろ」


そしてここぞとばかりに食付くリヴァイ。この際お金でなければ何であろうと構わない。少しでも具体的な答えならば。流石に休暇は専門外だが。 催促する眼差しから逃れるように斜め上を仰ぎ見るは指を折りながら物名を連ねた。


「お茶菓子やら化粧品やら靴やら食材やら……」

「……『お使い』か」

「だから望んではいないんだよ」

「パシられるのも悪くない」

「……もう少し言い方があると思うのだけれどもだから頼んでないって」


不服そうに抗議の目を向けてくるの視線を感じながらリヴァイは思い出したかのように手にしたままの書類に視線を戻した。 次いで暫しの沈黙を挟み聞こえてくる執筆音を聞きながら人知れず眉間を揉む。悩みの種が増えたと言わんばかりの仕草である。

調査に出向いた筈が何故に返り討ちに遭った気分になるのか。彼女は律儀にも質問には答えていたのだが、脱線するばかりか見当外れな事ばかりほざいてからに云々。

なかなかどうして手強い相手だ。公?に心臓を捧げた兵士であれど嗜好のひとつでも持てと言いたいところである。禁止されているわけでもあるまいて。 むしろいつ死ぬか分からない人生なのだ、僅かなプライベートくらい遊べばいいものを、このという人間は遠慮以前の問題で。

まさか冗談ありきに茶化し続けてきた干物女の称号がこんなところで障害となって立ちはだかるとは思わなんだ。


(前途多難もいいところだぜこりゃあ……今後は干物女に関して触れずにおくか……だがアイデンティティーを奪うのは気が引ける)


それにしても、と。貰い物をお守りにするだとか、危険を犯してでも失くすまいと必死になるだとか、遠まわしに己自信がそうすると言っているようなもので。 可愛いところもあるじゃねぇか。人並みの感慨がある事を裏付ける発言に安堵するリヴァイ。今までのを鑑みれば心配せずとも大丈夫だとは思うものの如何せん『干物女』が脳裏を過ぎるのだから致し方ない。

しかし、である。この調査は何も解決していないのではないか。具体的な『欲しいもの』は聞くことは出来たのだが、よりにも寄ってお金やお使い品なぞとそれこそ参考になるまいて。


(……一体全体どうしろと)


意を決した調査は難航を極めた。


(仕事、又は私生活に役立つものはエルヴィンと被る可能性が高いばかりかむしろ既出の物になっちまうかもしれん。かと言ってバカ正直に金やら消耗品を贈るなんぞ愚の骨頂。 野暮な話、スカーフ留めは上等な物だ……それ以上とまでは言わねぇがそれなりの物でもないと男として云々かんぬん)


書類と睨めっこするリヴァイの脳内は皆まで言わず。を盗み見するも当の本人はどこをどう見ても普段通りに筆を走らせているばかりで。

なんだか己を省みて滑稽に思えてきた。平静を装ってはいたが執拗に聞きすぎた感も否めまい。不慣れともあり躍起になってしまうのも致し方ないとは思うものの。 それもこれも無欲すぎるの所為だ、と理不尽な責任転嫁よろしく心の中で罪を擦り付けてはそんな己に呆れるリヴァイ。


(いくら誕生日が近いからと露骨すぎたか? いや、こいつに限って自分の生まれた日を忘れてる可能性もありうる……ともあれ勘付かれねぇ様に調査を続行する他あるまい)


方針は決まった。もう彼女に直接誘導尋問はするまい。そこはかとなく他の者に意見を聞いた方が効率的だ。思い立ったらなんとやら。 美味な紅茶に後ろ髪を引かれつつ一気に飲み干すと立ち上がった。


「少しは強欲になってもバチは当たらんだろ……それで何かが変わるわけでもあるまい……」

「”物” はたくさん頂いているよ、それはもう両手じゃ抱えきれないほど。それなのにこれ以上なにを望めと言うの」

「……そういう意味じゃねぇよ」


紅茶を飲み干したカップを手に持つ書類に重ね扉へ向かう。さほど忙しくないからか、から受け取った書類はほぼほぼ完璧。お陰で校正はとうの昔に終わっている。 滞在時間の半数以上はサボリに匹敵するだろう、早急にエルヴィンへ提出しなければ小言を頂戴するやもしれない。どいつもこいつも癖のある人間ばかりで嫌になるぜ。

扉を開け、一歩廊下に踏み出す。背後からは執筆音ばかりか何も聞こえない。書類作成を中断して見送りでもしてくれているのだろうか、そう思っていた次の瞬間。


「どう足掻いても手に入らないもの……お金では買えないそれが欲しいのかも、しれないねぇ……」


十分強欲だよ。そうぼやいたを振り返ることなくリヴァイは後ろ手で扉を閉めた。ひとり清閑な廊下に立ち尽くし、道理で物欲を持ち合わせていないわけだと納得したように深く息を吐く。

今回の調査は、最初から無意味だったのかもしれない。少し考えれば分かる事だったのだと。 なんとも彼女らしい答え。手に入れられるか否かの問題を超越するそれは、形あるものではなくそればかりかとても曖昧でいて不確かなものだ。


(……守れなかった者への ”贖罪” に対する ”許し” が欲しいのかもしれねぇだと? ――馬鹿が)


たとえ人類すべてが「許す」と言ったとしても死人が夢に出てきたとしても、何より己自身が許さなければ手に入らない無形のもの。 いくら他人が贈ろうが主観でしかない問題のそれを用意するだけ無駄と言わざるを得まい。即ち、彼女の言う通りどう足掻いても無理なのである。

そうでなければ今もこうして生き残り戦い続けるなぞできまい。至って単純な話だ。自分が自分を許せばいいだけなのだから。しかし、そう簡単に出来れば苦労などしない。

廊下を進む足取りは重く、リヴァイはいつも以上に眉間に皺を寄せ現状を打開すべく悪足掻きにも似た沈思黙考を貫くのであった。






 ♂♀





「オイ、ペトラよ。お前なら分隊長に何を贈る?」

「兵長のモノマネはやめてよね、オルオ。そうねぇ……私なら茶葉を贈るかしら」

「そりゃアレだろ。淹れてもらったそれが飲みたいだけだろうが」

「そそそ、そんなわけないじゃないっ!」





 ♂♀





カップを洗い終えそのままエルヴィンの元へ赴いたリヴァイは、居る理由が見当たらない人物の姿を捉えた瞬間、嘆息した。


「やぁリヴァイ、そろそろ来る頃だと思ってたよ」


メガネのブリッジを押し上げ、不敵に笑う人物――ハンジがそこに居た。


「……何故ここにてめぇが居やがる、クソメガネ」


剣呑さを隠すことなく睨めつけたリヴァイは次いでハンジが座るソファの横を素通りし、部屋の主であるエルヴィンに書類を突き出した。


に課したお前経由の書類提出がまだだと言ったら梃子でも動かなくなってしまったよ」


なんだそりゃ。どうやら待ち伏せされていたらしい状況に首をかしげる他ない。 そんなリヴァイを見かねて苦笑ともとれる微笑みを浮かべたエルヴィンは書類を受け取りながら経緯を説明し始めた。


曰く、ふたりはへの贈り物について話をしていたそうだ。貢ぎ体質がアダとなったが為に悩んでいたエルヴィン、そして候補が多すぎて迷っていたハンジ。 まるで示し合わせたかのように集い今に至る、と。


これは好都合だ。リヴァイは立ったままソファの背もたれに寄りかかると言外に話し合いへの参加を表明する。


「リヴァイは決まったかい? 私は巨人の研究資料を索引し易く辞書にしたものにするか新型の巨人捕獲兵器にするか研究用具一式にするか――」

「あいつをノイローゼにするつもりか?」

「あとは……最後の手段にネグリジェとかどうかなと。貴方も嬉しいだろ?」

「そうだな、そりゃ魅力的な提案だが残念ながら地獄を味わう未来しか見えねぇから却下だ」


全力で自制心を働かせ妄想を打ち切る。今の寝間着姿でも十分危険だと言うのにあろうことかネグリジェとは、いやはや。 ハンジは己が見るわけでもないのに候補に挙げるなぞと何を考えているのやら。言わずもがなリヴァイの反応を楽しんでいるに他ならないとは先刻承知済みである。


「じゃあ貴方は何をあげるつもりなのさ?」

「……考え中だ。意見を聞こうと――」

「ペアリングでも贈ればいいんじゃないかな」

「お前には聞いてねぇよ」


頼んでもいない意見を聞き流しチラリとエルヴィンを見遣る。リヴァイから視線を浴び、彼は今一度苦笑すれば窘めを口にした。


「ハンジ。取り敢えずリヴァイを煽ってくれるな」

「分かったよ」


やれやれと背もたれに体を沈めるハンジを殴りたいと思ったのは正直これが初めてではない。 それはさて置き、リヴァイは本命のエルヴィンへ話を振る。


「お前は決まってんのか、エルヴィンよ」

「あぁ、先ほど決めたばかりだ。今年は『簡単解説!正しい図形の書き方』という教本にしようと思う。何事も基礎から固めなくてはな」

「なるほどな。そのチョイスに疑問は尽きないが……かぶらずには済みそうだ」


悩みに悩みすぎて理解しがたいチョイスになってしまっていると自覚はあるのだろうか。ないだろうな。 心なしか自信有りげに口角を上げるエルヴィンを見て見ぬふりしつつ、リヴァイは本日何度目になるか数えるのも億劫になった嘆息をこれみよがしに吐いた。

の図解説や芸術的センスが足りないのは今に始まったことではなく今更感が拭えない。 恐らくつい最近、これに関する何かがあったのだろうとは容易に想像できる。今更だ。むしろ何故もっと前に矯正しなかったのか。

眉間を揉むリヴァイを見て相当お悩みのようだ、と勘違いしたのかエルヴィンがハンジに続き候補を挙げ。


「俺も考えてみたよ、婚姻届はどうだろう?」

「……揃いも揃って何故お前らは段階を飛び越したがるんだろうな」


全く以て理解しがたい。突拍子もない提案は瞬く間に却下されたという。

恋人にさえなれていないというのにこいつらは。例に漏れずニヤニヤとしやがって。以上に参考にもならない意見をかなぐり捨て、忌々しげな舌打ちを置き土産にリヴァイはこの場を去った。


「少しからかいすぎたかな」

「違うよ、からかい方が雑すぎたんだって」






 ♂♀





「ミケ、貴方は決まってるかな?」

「スンッ……ナナバか。勿論決まってるぞ。ズバリ『肩車券10枚』だ」

「必要性を感じないね」

「これは敢えての物だ。想像してみろ。がこの券を躊躇しながら1枚切り取り差し出してくる……そして一言。『1回何時間です?』と。分刻みじゃないところが愛らしいとは思わないか? フンッ」

「妄想も大概にしておきなよ。リヴァイにどやされても知らないからね」





 ♂♀





翌日。タイムリミットまで約半日といったところか、の誕生日を翌日に控え非番を利用し街中を散策するリヴァイはめぼしい物を見つけては入店し、何も買わず退店するという店側からすれば些かはた迷惑な行為を繰り返していた。 まるで不毛である。

そして本部を出てかれこれ3時間は経っただろうか。闇雲に歩いても仕方あるまいと漸く気付き、考える時間でも設けようと喫茶店へと足を踏み入れる。


「紅茶とサンドひとつ」

「かしこまりましたー」


落ち着いた雰囲気の店内はリヴァイの密かなお気に入りだ。滅多に来ないが。先に運ばれてきた紅茶に口をつけながら暫し黙考。

――昨日、エルヴィンの執務室を出てから朝まで散々考えた。それはもう制服のまま己の執務椅子に座り。 普段ならばたまにそうして寝ることもあった。リヴァイは見かけによらず食事や寝ることに関して結構ルーズである。

この事実をが知ればなんと言うだろうか。睡眠時間も長くはないと知れば。 添い寝時でさえ安らぎは得られるものの、長時間の睡眠はとれていない。幼い頃からの習慣は簡単に覆せるはずもなく、の寝顔を眺めては悶々としている次第である。


(そりゃ間違いなく『変態』と罵るだろうよ)


想像に難くない。本心は兎も角。


(そんなことを考えてる場合じゃねぇ……あまり遅くなると店が閉まっちまう)


どこか味気なさを感じてしまう紅茶を飲み下しては指の隙間から垣間見える水面に映る光景を視界に入れる。 そこには心底困り顔の己が居た。


(何って面だ……プレゼントひとつで情けねぇ)


カップをソーサーに戻せば陶器のぶつかる小気味よい音が鳴る。内地ゆえに気取っているのか高級品のそれ。 店を開くくらいだ、淹れた人間はそれなりの腕を持っているだろう。だが如何せんと比較してしまうと霞む。

彼女は齢5歳にして包丁を握り、同時に接客から紅茶の淹れ方なんやらまで修行を始めたという。そこらの人間が勝てるはずもない凄腕の持ち主だ。 だからこそどんなに安物のカップであろうと上品に仕立て上げる。だが今目の前に置かれた物は何だ。

――まるで宝の持ち腐れだ。高級品であろうと見た目は兎も角、注がれる一番重要な紅茶が劣れば安物と大差ない食器に成り下がるというのに。


(あいつの実家で出された物は器も中身も均衡が保たれていた。紅茶とカップどちらをも尊重する絶妙な匙加減……香り、そして口内に含んだ時に広がる旨みは紅茶本来の魅力を最大限に引き出せていると言っても過言ではない)


いつから紅茶評論家になったのか、とツッコまれそうだが問題はそこではない。この場でを褒めちぎっていてもまるで無意味である。


(俺も腕には自信があったんだがな……唯一あいつに適わねぇ部分かもしれん)


己が淹れる紅茶にさえ物足りなさを感じてしまうようになったのはいつからだったか。リヴァイもまたに負けず劣らずな腕前なのだが。 恐らく気分の問題だろう。

それはさて置き、リヴァイは漸く運ばれてきたサンドをつまんでは紅茶を啜る。3度ほど繰り返せば机上には空になった食器が残った。 飾るだけならば高級品の風格漂うそれを一瞥し、わけもなく指で縁をなぞる。


(あいつは馬鹿みてぇにこと自分に関しての物欲が存在しねぇ……筆記用具から調度品に至る物全て支給品と贈り物で構成されているのがその証拠だ)


大方お金を欲する理由も己の為だけではないのだろう。使い道は知る由もないが、それとは別に経費を節約する根幹には万年資金不足な兵団を慮っているからこそに他ならない。


(だが節約とは言うものの人への贈り物には金に糸目を付けないきらいがある。イベント事然り、誕生日プレゼント然り、ハンジへの夜食の食材然り)


それに。昨日の会話で垣間見せた贈り物へのお返しについて。はリヴァイが退出した後、買い物に出かける姿を目撃されていた。 予想通り律儀にも各個人にお返しの品を調達しに行ったとは皆まで言わず。送り主を把握しているのかは定かではないにしてもそれなりの人数にのぼる事は明白。

いつぞや山積みにされた箱たちを思い返しては途方もない数であることに間違いはなく。先輩方だと教えてしまった事に対し今になって後悔するリヴァイであった。


(プレゼントを贈ればそれ相応のお返しを用意しちまう律儀さ……その習性を如何にうまく丸め込めるかが今回の ”キモ” だろう)


たかが贈り物、されど贈り物。素直にプレゼントを受け取るだけの相手ならばこんなに悩まずとも決められたのかもしれない。 しかしその相手はほとほと厄介な性格をしているなのだ。一筋縄では行くまい。たとえ「お返しは必要ない」と言い聞かせてもじっとしていられる性分を持ち合わせてないばかりか申し訳なさを募らせてしまうわけで。

誕生日プレゼントぐらい笑って受け取りやがれ。見舞い品なら兎も角、年に1度しかない特別な日なのだから無償の気持ちとしてすんなり受け入れろ、と。


「……そうか」


リヴァイははたと思い至る。要はお返しの必要性を感じさせない物を贈ればいいのだ。言うなれば『贈る』のではなく――。





――数時間後。いつもの様に添い寝をする為、聖域のベッドに横になったリヴァイは人知れず懐中時計を確認しては同じく寝そべり読み物をするに意識を向けた。 彼女が熱心に見つめる先には有名な画家の随筆。思想などをまとめた散文が羅列するそれには自身の作品に対する解説も書き記してあった。

まったくなんつーもんを。リヴァイが思わず顔を強ばらせる原因はその画家にある。何を隠そうその画家は抽象絵画で有名な人物であるからして。


(こいつの芸術的センスは此処から培われていたのか)


横からのぞき見れば一体全体なにを表現しているのか理解に苦しむ絵が。この本を発行した出版社は如何にして書き写したのかと疑問を感じ得ない。 決して馬鹿にしているわけではないが、恐らくこの世で一番見てはならない人間が食い入るように見てしまっている事実に気が気でないのである。


「なんとも感慨深い……」


更には柄にもない事を宣う始末。どの辺りに感慨深いと言わしめる程の感受性を刺激されたのか甚だ疑問である。


「……お前はそういったもんが好みなのか?」

「感覚派な私は抽象絵画にどこか共通点を感じる。これなんてメインである建物を具象的に表現してもいい筈なのにあえて捨象し季節感だけを抽象したその感性が感慨深く感銘を――」

「分かった。もういい。大人しく読み耽ってろ」


解説を遮った事に対して機嫌を損ねるでもなく本へ意識を戻したに胸を撫で下ろしながらリヴァイもまた懐中時計を見遣った。 分針は午前零時手前を指している。秒針があと2週ほどすれば日付が変わるかという瀬戸際。控えめに時を刻む音に耳を傾けては暫しの緊張を募らせる。

そろそろ頃合か。リヴァイは執務室に隠しておいた紙袋を取りに寝台から降りた。は全く微動だにしない。

そして、その時はやってきた。己は彼女に気にも止められていないという現状に思うところがあるも、好機だと言わんばかりに懐中時計片手に聖域へと戻る。 扉を閉めたその瞬間に日付が変わり、リヴァイは懐中時計を素早く仕舞うと口を開いた。


「今日は何やらめでたい日らしいじゃねぇか。なぁ、よ」


緩慢な動きで向けられる顔。そこには誰の目にも明らかな驚愕の色が浮かんでいた。まぁ、例のごとく僅かな変化ではあるが。


「……なに、知ってたの」


本の端が指から滑り抜け弾みで閉じる。恐らく彼女の心境を最も素直に表しているのはその本かもしれない。


「数年来の付き合いにしちゃ情けねぇが、知ったのは極最近だ」

「そう……誰から聞いたのかは大方の見当がつくけれども……まさか貴方から祝って貰えるとは夢にも思わなんだ。明日は槍が降るかもしれない」

「バカ言え、俺は元々結構祝い事に頓着する。一言余計だ、馬鹿が」

「申し訳ない。つい動揺して」


起き上がり真摯に向き直るは人差し指で頬を掻くと落ち着き無く視線を泳がせた。なるほど。彼女の言うとおり本気で動揺しているらしい。 聞くところによればエルヴィンたちからは毎年祝いの言葉とプレゼントを頂いているとのことで、もしかして毎回このような反応をしているのだろうか。

――それにしては些か大げさではあるまいか。


「一体いくつになったんだ?」

「女性に歳を聞くのは御法度」

「顔も年齢不詳なお前の事だ……アラサーか?」

「えぇいうるさい。そういう貴方は何歳なの」

「最重要機密事項だ」

「何それ怖い」

「精々三十路まで焦ろ、おめでとう」

「誕生日ぐらい素直に祝って、ありがとう」

「まぁ、なんだ……それはさて置き」

「入念に時計を見てたと思えばやけにあっさり流すのね」

「無関心装ってちゃっかり見るとこ見てんじゃねぇよ」

「職業病はしょうがないよね」

「俺は今日、街で買ってきた物がある」

「そう。一体何を買ってきたというの」

「単刀直入に言えばティーカップだ。支給品でもある来客用のカップじゃ物足りねぇからな」

「流石カップにこだわりがあるが故にトラウマをこさえた人は言う事が違う」

「人の弱みを掘り起こすのはよせ。お前には血も涙もねぇのか」

「悩めるリヴァイを見ていると心も痛もう」

「冷酷人間の目にも涙だな」

「それで、そのカップがどうしたというの」

「今日からここの常備品にしろ」

「それは構わないけれども……貴方が使うのなら自室のコレクションを持参すればいいのでは」

「持ち運んでる最中に割れたらどうする」

「ごめん、そこまでトラウマが根強く息づいてるとは思わなんだ。軽々しくしていい話題ではなかった」

「哀れみはよせ。……これは俺専用のカップだ。他の奴が触れるのも許さん。お前は慎重に扱え」

「肝に銘じておく」


やたら長い前置きを終え、リヴァイは漸く紙袋を差し出した。 中には長方形の箱が行儀良く収まっており、膝の上に取り出したが次いで中身を拝見しようと蓋を開ける。

箱からして予想はしていたが、カップはかなり上等な代物であった。


「……やっぱりこだわりのある人は見る目も違いますなぁ……そんじょそこらの目利きじゃ歯が立たないだろうね」


どこからこんな掘り出し物を、と言いたくなるのもわけない。紙袋はそこらのインテリ雑貨店の物だが、それにしては風呂敷もなく扱いがぞんざいと言わざるを得ない。 どうやらこれを売った店主は物の価値がイマイチ分かっていないらしい。消耗具合からして中古では無く、ゆえに手がけた職人の腕は確かなものだと証拠付ける。

精巧に施された細工、息を呑むような美しい形貌。そして滑らかな肌触り。どれを差し置いても一級品であること間違いない。


「無名の職人の知人に『店に置いてくれ』と懇願された物だそうだ。棚の奥底に眠ってやがった」

「物の価値というのは第三者から認められて初めて価値がつくとは言ったもの……先行投資でもしようかな。後々儲かるかもしれない」

「お前はそればっかりだな。……やはり現ナマの方が良かったかもしれん」


長時間に渡り街を散策した努力も水の泡になりかねない際どい会話に脱力するリヴァイ。最後の独語は耳に届いていなかったようで、は変わらずカップに夢中である。


「あれ……? 私も目利きには自信があると思っていたけど、ヤキが回ったのかもしれない」

「……あ? 唐突に何をほざいてやがんだ、お前は」


と、次の瞬間。が徐ろに目を擦り始めた。まさか眠いわけではあるまい。いつもなら寝る時間に相当するが思いがけない掘り出し物を目の当たりにして心なしか興奮気味であるからして。 眉を持ち上げ疑問符を浮かべるリヴァイは続く言葉に今一度脱力するのである。


「いやぁ、私の目にはカップがふたつに見えるのだけれども、この若さで老眼かな? 後でハンジにメガネを借りてこよう」

「……どっからどうみてもふたつあるが」

「えっ……なに、ゆえ……ストック? まさかのストック何故?」


僅かに目を見開くの視線を受け、リヴァイは咄嗟に視線をそらした。あぁどうしたものか。この反応は大方予想通りとは言うものの。 口をついて出てしまった言葉は苦し紛れの言い訳に他ならなんだ。


「…………仕方ねぇだろ、セット品だったんだ。店主は不良在庫をさっさと売っぱらいたかったんだろうよ……別売り非対応だったと、それだけだ」


やれほとほと厄介な性格のへの対抗策をと思っていたのだが、正直本当にこれで良かったのかと疑問は尽きない。


(情けねぇのは何よりも今この瞬間じゃねぇか……何ってザマだ……)


これでは人のことをとやかく言えまい。素直に祝うでもなく終いには己の専用カップを、何と。理解しがたいのはこの状況そのものではあるまいか。

しかし。表情に出さないまでも気落ちするリヴァイを余所に、対面する本日の主役はいつも通りに相槌を打つのだ。


「……そう」


同時にゆるりと視線を落とした。その先には大事そうに両手で包まれた箱、そして仲良く並ぶカップたち。立ちすくむリヴァイからは、俯くの顔を伺い知ることはできず。


「良ければ私も、この一級品で紅茶が飲みたいねぇ」


だが顔が見えなくとも、どこか笑声が混じる声音で紡がれた言葉は言外にありがとうと言っているようで――リヴァイの胸に暖かな温もりを齎すのであった。


「……言った筈だ、『お前は慎重に扱え』と。割らなきゃそれで紅茶を飲むなり好きにすればいい」



かくして、この記念すべき日からお揃いのティーカップで紅茶を飲むふたりが度々目撃される事となるのは言うまでもない――。









 +++








「呼ばれた気がしてジャジャジャジャーン! 残念、帰ってこないとでも思った? 今どんな気持ち、ねぇねぇ今どんな気持ち? 誕生日おめでとう我が娘よ」

「プレゼントだ」

「…………えっ……ふたりともおかえり……ありがとう……」

「勿論ケーキもあるわよ。今日の為にお爺ちゃんに頼んでおいたの。ふふふ吃驚してるわね。サプライズ成功よお父さん」

「そうか……生まれてきてくれてありがとう、


まるでいたずらっ子のように――表情と抑揚は乏しいが――はしゃぐふたりを見て少女は何を思うのか。 浮かべた表情は今は亡き両親にしか知りえないものだ。




END.















余談。


後で知った事だが、は誕生日プレゼントに関して必要以上のお返しをした事が無いという。 ただ、送り主の誕生日にはプレゼントを用意する、なんとも至って普通の人間関係を築いているというわけで。

――彼女曰く。


「素直じゃないのはどっちだろうねぇ」


との事。リヴァイが何について苦労していたのか分かっているので、からかい半分にハンジにそう漏らしていたとか、なんとか。


おわり。



















ATOGAKI

結成祝いとはなんなのか。また別のお話、とか言ってますケドただ単に現在進行中で悩んでるだけです。すみません。2個ほど候補は上がっているのですがしっくりこないと言いますか。ちなみにギャグルートと真面目ルートであります。わらい。

兵長からのプレゼントはサラっと決まったのにエルヴィンからのプレゼントは相当悩んだ。思いつかなすぎて。語られていない部分である程度のものはあげ尽くした感。貢ぎ体質疑惑浮上。 そして、書き終えてから気づきました。聖域にあるソファは主人公が自分で買った物だった、と(寝起きドッキリ参照)。すみません。いや、私物が呆れるほど少ないだけで皆無とは言ってないからセーフ。いいわけ。


1年のうち誰もが必ず1日ある、生まれた日。皆様素敵な誕生日を。